奥歯の役割こんにちは。我孫子中央歯科室です。
10月8日は「奥歯の日」です。10月(October)の「オク=奥」と、日付の「8=歯」という語呂合わせから、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社が制定しました。また、食欲の秋に健康な奥歯でおいしく食事を楽しんでほしい、という思いもこめられています。
今回は「奥歯」についてお話しします。

奥歯の役割と失ったときの影響

奥歯は、犬歯の後ろにある臼歯(きゅうし)を指します。
上下の顎の左右に4本ずつあわせて16本あり、犬歯の後ろの2本が小臼歯、続いて2本が大臼歯です。奥歯には食べ物をしっかり噛み砕く面があり、臼のように食べ物を細かくすりつぶすことができます。このようにきちんとすりつぶしてから胃や腸へ送ることで、食べ物の消化や栄養の吸収がよくなります。
さらに、奥歯は食べ物を噛むだけでなく、発音にも大切な役割をはたしています。奥歯を失うと息がもれやすくなり、「ラ行」や「イ段」(き、し、ち、など)の音がうまく発音できなくなることがあると言われます。
また、奥歯の噛み合わせが悪いと左右の体のバランスが崩れ、肩こりや目の疲れ、首や腰の痛みなどの不調につながることもあるので注意が必要です。

奥歯はむし歯になりやすい

奥歯には食べ物をすりつぶすための凹みや溝があり、その部分に食べかすが残りやすい特徴があります。また、奥のほうは歯ブラシが届きにくく、みがき残しが歯垢や歯石となって、むし歯になるリスクが高まります。
そのため、奥歯は前歯よりもむし歯になりやすく、平均すると前歯より10年も早く失ってしまうと言われています。

健康なお口を保つ奥歯のケア

奥歯は四角い形をしています。上の面、外側(頬側)、内側(舌側)を意識して、みがき残しがないように丁寧にみがきましょう。歯ブラシは鉛筆を持つときのような「ペングリップ」で軽く握り、毛先を細かく動かして優しくみがくのがポイントです。

奥歯を上手にみがくコツ

上の面は、特に凹みや溝を気にしながらみがきましょう。奥歯の外側(頬側)は口をやや閉じ気味にするとみがきやすいです。内側(舌側)は歯の並びに平行に歯ブラシを入れてください。さらに、歯と歯ぐきの境目も忘れずにみがきましょう。また、歯と歯の間にたまった歯垢を落とすため、歯間ブラシやデンタルフロスを使うのもおすすめです。

奥歯の健康を維持するために

奥歯は噛む力を支えるだけでなく、全身の健康や生活習慣にも深く関わっています。奥歯を失うと、食べにくさや消化不良だけでなく、会話や表情の変化にもつながることがあります。
こうしたトラブルを防ぐためには、日頃の丁寧なブラッシングとあわせて、歯科医院での定期的な検診が欠かせません。
当院では、検診に加え、一人ひとりのお口の状態に合わせたケアの方法をご提案することも可能です。気になる症状がある方はどうぞお気軽にご来院ください。