摂食・嚥下(えんげ)障害
食べるとむせる、うまく飲み込めないといった症状はありませんか?
- 食事中によくむせる(特に水分、みそ汁などでむせることが多い)
- 食事中に限らず、突然むせる、咳き込む(唾液によるものなど)
- 飲み込んだ後も口の中に食べ物が残っている
- 食事の後、ガラガラ声になる
- 全部食べることができないほど、食事をするとすぐに疲れる
- 体重が減ってきた
- 毎日飲んでいた薬なのに、飲むのを嫌がる
- 水分をとりたがらない(尿の量や回数が減る)
- 夜間、咳き込むことがある
- 発熱を繰り返す
これらの症状は、病気で身体が弱っている方やご高齢の方、また脳卒中などの後遺症がある患者様などで見られることがあり、摂食・嚥下障害の可能性が考えられます。
この障害により食事が上手にとれなくなると体重が減り、低栄養や脱水、飲み込んだ物が器官に入る「誤嚥(ごえん)」などを起こすこともあります。
ご家族や介護者の方はこれらの症状を見逃さないよう注意しましょう。
摂食・嚥下(えんげ)障害について
食べ物を見てから認識をしてお口の中へ入れ、咀嚼をして飲み込む(嚥下)まで一連の動きを[摂食]といいます。
この働きがうまくいかなくなったことを[摂食・嚥下障害]と呼んでいます。
摂食での大切な働きとなる咀嚼と嚥下については、その機能を調べるための検査法があります。
咀嚼機能検査
噛めなくなる原因は、噛まない習慣と歯の喪失・義歯や入れ歯の不具合、咀嚼筋や舌の機能の低下などが考えられます。
当院ではグルコセンサーという測定キットを使用し、咀嚼機能を数値化する検査を行っています。
グルコセンサー
グルコースというブドウ糖を含んだグミ[グルコラム]を20秒噛んだ後、10ccの水でお口をすすぎ、吐き出した水溶液の中のグルコース濃度を測定することで[咀嚼機能]を評価します。
咀嚼機能の回復について
噛む機能が不十分と診断された場合は、入れ歯やインプラントなどの治療を行い、咀嚼機能の回復を目指します。
舌圧検査
摂食・嚥下機能は舌の運動機能と深く関係しています。舌圧の低い人は食事の際にむせるなどして食べ物をうまく摂取できなくなります。
当院では舌の運動機能を測定する [舌圧測定器]を使用して検査を行っています。
舌圧測定器
デジタル舌圧計に接続した舌圧を調べるバルーンをお口の中に入れ、舌の力で押しつぶし、その時の圧力を[最大舌圧]として測定します。
測定値は摂食・嚥下機能に関する口腔機能検査のスクリーニング(*)の指標となります。
*スクリーニング:ふるい分けること、選別
舌の運動機能の回復について
舌の運動機能が低い場合は舌のリハビリテーション訓練を行います。
訓練後、最大舌圧を測定し数値の変化をみることで、リハビリ効果の確認ができます。